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| 第百十六巻 「エッセイ・独学のすすめ」 平成16年1月29日(木) 業界誌、マリンボイスのエッセイに下記の文章を発表しました。 「独学のすすめ」 今年の七月、猛暑のさなかに東京青山の骨董通りで三度目になる書の個展を開いた。テーマは「畑 神左のアート・書」とした。よくある古典的な書道展とは違い、デジカメの風景写真と書をコラボレートしたカラフルで明るいアートなもので、こんな書もあるのかと驚かせたいという密かな企みもあった。 冷やかし半分のリピーターが大半ではあるが、有難い事に百名以上もの来場者があり、前回より反応が良い。これはITアートという新ジャンルだとか、古い書道会に新風を吹き込んだとか大げさな評価も頂いた。なにより、小学生の女の子にも気に入ってもらったのが嬉しかった。 私が独学で書を始めてから五、六年とまだ日は浅い。生まれ故郷で中学時代に書初め大会で特賞をもらったのが興味を持つきっかけだが、当時は書の古めかしさに身をおく気がせず、もっぱらスポーツで汗を流すことに熱中していた。以来、本格的に書を習うこともなく、筆を持つのは年賀状をしたためるときくらいである。 数年前の、とある忘年会でのこと、唐突ではあるが三人で展覧会なぞをやろうということになった。準備期間を一年半、翌々年の、画廊が安く借りられる真夏に開こうなどと、とんとん拍子に決まっていく。陶芸と写真を出すという二人に、私は書で行くぞと宣言した。酔いが覚めれば冗談話ですまそうと高をくくっていた。だが、すでに画廊の予約を済ませたとの連絡が早々と入り、展覧会の名称も「連展」と決めたという。みな本気なのである。案内葉書のデザインもプロに頼もう、会場には冷蔵庫に冷えたビールも用意しようなどと、もう後には引けない。 書を出すといったものの、自己流のこの技量で、一体作品と呼べるレベルのものができるのか。書道塾に行くことも考えた。だが、ここはひとつ、独学でやってみよう。書の基礎知識を習得するために入門書の類を買いあさり、安価な墨と筆と紙を用意した。楷書・行書・草書に始まり、隷書に篆書、かなまで手を伸ばし、おまけにペン習字まで練習した。 しかし、いざ展覧会用の本格作品となると皆目知識がない。表装、雅号、雅印など何も知らない。先輩に相談して早速「神左」という雅号を付けてもらったので、雅印を作らなくてはならない。困ってインターネットで探したところ、栄昌堂印店の店主、望月鶴川先生に出会ったのである。雅印を彫ってもらっただけでなく作品作りにも手を貸して頂けるという。取り急ぎ一枚書いて送ってみたら、「私がなんとか間に合わせましょう」と心強い返事が来た。どうしてか私以上の熱心さである。 それから約一年、半紙から始まり、掛け軸に至るまで、何度添削をお願いしたか数知れない。独学とはいうものの結果的には先生に頼り切っている。しかし望月先生曰く、「独学と独習は違う」とおっしゃる。独学とは、自分で高い目標を掲げ、自分で工夫して試行錯誤を繰り返し、どうしてもできないところを先師に学ぶという態度が大切だという。対する独習とは、偏った実りの少ない努力をし、先師に学ばす、自己満足してしまう態度のことだと教えられた。先生自身も何十年も独学で書を勉強してこられたという。それを誇りに思っておられるからこそ、私との師弟という関係ではなく、書の友人としてお付き合いしてもらっている。なんともあり難いことだと感謝している。 最初の連展は、殆ど先生の物まねの書であったが、三回目でやっとは自分らしい作品となったと思っている。これからも、大いに独学の精神を忘れず、その素晴らしさを大切にして研鑚を積み重ねたい。 出典 Marine Voice21(マリンボイス)2004年1月号 VOL.235 社団法人埋立浚渫協会の月刊誌 エッセイ欄 |
| 第百十五巻 「アート・書」 平成15年7月7日(月) 書の新しい試み、「アート・書」と題して、いま個展を開催中です。 初日は20組ほどの来場者があり、狭い会場が熱気でムンムン状態でした。 3回目になる今回の展覧会は、初めての個展ということで、どういうものにしようか、ずいぶんと悩みましたが、あまり過去の例のない、デジカメ写真と書のコラボレーションという形が浮かびましたので、よし、これだ!ということで、構想に入りました。 |
| 第百十四巻 「吉田高校の書道部」 平成14年8月11日(日) 先週、横浜で開かれている、第26回全国高等学校総合文化祭の書道部門の展覧会を見てまいりました。望月先生のお知り合いの静岡県立吉田高校の書道部の先生と生徒さんたちと会えるというので、夏休みを取ってお昼頃から会場へ出かけました。この文化祭はインターハイの文化版だそうで、毎年各地で開催されている大きなイベントらしいのですが、正直いってこれまでは知りませでした。 会場は横浜駅から程近い関内駅のまん前にある教育文化センターにある横浜市民ギャラリーでして、全国の都道府県の予選を通過してきた、294点もの素晴らしい作品が所狭しと飾られていました。 お目当ての吉田高校の作品の前で、書道部の部長さんと生徒さんたち、それに望月先生が加わって、作品の評価などを行いながら、しばし書の話に花が咲きました。吉田高校の作品は、高校生ばなれした力作揃いでして、どれも若い人の感性が生きていて、新鮮な息吹を与えてくれました。 作品の趣向や表装など、部長さんの気に入れ方も並大抵ではなく、指導も徹底していて本当に素晴らしい書道部だと思いました。 作品鑑賞の後、横浜の新しい観光スポットであるワールドポーターズへ行ってショッピングと夕食をともにして、一日楽しい思い出ができました。 吉田高校の書道部には素敵なホームページがありますので、リンクを張らせてもらいました。一度、覗いてあげてください。 本当にびっくりする作品が山とありますから! 静岡県立吉田高校書道部のHP |
| 第百十三巻 「書海社夏季書道大学」 平成14年7月28日(日) 松本芳翠流の楷書を普及している書海社の夏季書道大学に二日間入学してきました。場所は、東京の日本青年館(国立競技場の近く)、参加者は100名ほど。コースは、三つに分かれていて、私は基礎科を受講しました。午前中は各科共通の講義があり、唐代の古典の真贋についてという、会長の講義があり、古典の読み方や接し方について大変勉強になりました。 午後は楷書の基本点画の書き方、結構四十法の解説が詳しくあって、このように体系だって勉強していない私にとっては非常に貴重な講義でした。日ごろ、疑問に思っている筆使いなども、各講師に直接指導してもらえたし、実習ではその場で書いたものを添削してもらったり、また親切な講師は実際に書いても頂けました。 特に今回再確認したのは、以下の点でした。 まず、芳翠流の楷書は、ある意味で特殊な楷書であること。 芳翠流の楷書をうまく書くには、筆選びが特に重要であること、筆の研ぎ方が重要であることです。 芳翠流では、中鋒の硬めの筆を、刀のように研かないといけないが、今私の使っている筆は、短鋒なので、十分に研いでも刀のような形にはなりません。ですからどうしてもあの起筆や終筆の鋭い線を出すことが難しかったんですね。会場に、書海社ブランドの4号の筆を買って書いてみると、なんとうまく書けるではないですか! これが、3000円ですから、もっと早く買っておけば良かった! その他、たくさんの知識を得ましたが、ここでは紹介しきれないので、これからの作品作りで生かしていきたいと思ってます。 |
| 第百十二巻 「WEB公募書道展に出品」 平成14年7月18日(木) いつもお世話になっている、畑中壺竹先生が昨年に引き続き、今年もWEB公募書道展を開催されております。今年は応募点数も多く、編集してアップするのも大変だと思います。そのボランティア精神に感謝感激です。 今年も出品のお誘いがありましたので、新作ではありませんが、先年暮れに開いた個展の出品作品を二点、掲載さいてもらいました。どうもありがとうございます。 誰でもそうでしょうが、作品ができるとなるべく多くの人に見てもらいたいものです。他人の評価が無いと自己満足に陥り、それが個性だと思い込み、自己流の域を脱しきれないものです。 ですから、こういうWEBでの公募展をやっていただくと大変助かります。作品をデジカメで撮影しておけば、コメントをちょっと着けてメール送信すればすんじゃうので、非常に手間が省けます。・・・・スミマセン、壺竹さんの苦労も知らずに! ご興味のある方は、こちらにもお立ち寄りください。 どれも素晴らしく、幅の広い作品がたくさん掲載されています。 いろんな個展がありますが、これほどさまざまな作品が一同に並んでいるのも珍しいのではないかと思います。 WEB公募書道展 |
| 第百十一巻 「駅伝に出ました」 平成14年6月16日(日) 今日、横田基地で行われた駅伝の第二走者として5kmを走りました。 始めての駅伝レースでしたので、緊張しました。箱根駅伝をごらんになった方はおわかりのように、これは完全にチームプレーなので、リタイアするかもしれないとか、タイムがあがらないとか、非常にプレッシャーのかかるスポーツです。 幸い、今日はお天気もまずまずで、体調も良く、目標タイムを5分近く短縮できたので、一応ほっとしてます。 そういえば、書の世界には、駅伝のようなチーム戦ってあまりないですね。チームで争うなんて邪道なのかも知れませんけど、なにか良いアイデアがあればもっと書の人口も増えるかもしれませんね。 |
| 第百十巻 「本社予選通過!」 平成14年4月29日(月) 去る4月13日に行われた、全日本実業団ゴルフ出場者を決める、第一次予選(本社)で、なんとトップタイ記録で見事、予選を通過しました。2週間ほど、毎晩のように練習場に通って、打ち込んだのが正解だったのか、当日はずっと平静を保つ安定したプレーができました。 やはり、何事も練習しなければ結果がついてこないですね。 書と同じで、ゴルフもまったくの独学でして、過去に先生に習ったことは3回。 うち2回は、デパートのゴルフショップでの無料のコーチ。お金を払ったのは、たった一回のみ。駆け出しのレッスンプロでしたが、教え方が最悪! それ以来というものは、本とゴルフ番組のTV中継観戦など、いろんな機会を捕らえて勉強しました。自分のスイングを息子にビデオ撮りさせたり、姿見でスイングチェックしたり、まああれこれやりましたなあ。 きっとこれからも、独学でやろうと決めてます! |
| 第百九巻 「書は冬眠中、今ゴルフに熱中」 平成14年4月7日(日) 今年は桜が異常に早く、もうつつじも咲き誇っています。 筆を置いてからもう大分たってしまいました。 書作集も冬眠中で、楽しみにしていた方には、がっかりさせて申し訳ありません。 表紙の写真も昨年の紅葉の時のものですから、まったく季節感ないですね。 水墨を始めると、高らかに宣言しておきながら、まだ練習を開始しておりません。今は充電の時期だと、勝手に冬眠をむさぼっております。 現在、4月13日に出場する実業団対抗ゴルフの予選を目指して猛特訓中でして、暇さえあれば練習場に通っています。ゴルフを始めてから、15年。スポーツ万能だと思っていた私にとって、このスポーツは特別でした。普通の球技は相手との直接対決が原則ですが、ゴルフは自分との戦いだったんです。始めた当初は、一年半くらい、毎日2時間ほど素振りして、家の中ではアプローチ、パットを欠かさず練習。放課後の小学校のグランドにある砂場でバンカーショットの練習。近くの練習場には、朝晩2回行った事もありました。 今度、実業団対抗の予選に出ると決めてから、12,3年前の熱中ぶりを思いだし、大変燃えています。 という訳で、4月13日の予選会が終わったら、また書の冬眠も終わりますので再び書き始めようと思ってます。 次ぎの作品は、3月24日の初のフルマラソン完走記念に詠んだ俳句を書きつもりです。 今しばらくお待ち下さい。 |
| 第百八巻 「水墨も独学で」 平成14年2月4日(月) 早いものでもう2月になってしまいましたね。 年は改まってから、なんだかペースが狂ってしまい、殆ど筆を持っていません。 昨年暮れの二人展が終わってから、水墨画を独学で始めようと思い、本屋さんで水墨画の本を見たり、インターネットで水墨画のサイトを調べたり、必要な道具を準備したりしているうちに、1月以上が経過してしまいました。 独学で書がここまで出来たのだから、水墨も独学で行こうと思いつつも、まだ良い先生に出会う機会がありません。 水墨にもいろいろな画風があることも分かってきましたが、これだ!といった作品にはまだ出会わないので、お手本選びに躊躇しているのが現状です。 山水画のように、大時代的なものも肌に合いませんし、かといって絵手紙のようなのも今一だし、でも基本の練習はしなくちゃならないしね。 通信教育の資料も取り寄せてはみたものの、申し込む気はおきませんでした。 もう少し、作品探しと先生探しに時間をかけてみます。 なお、昨日から、自宅のインターネットをADSLに変更しましたので、あちこちネットサーフィンが自由にできるようになったので、重い絵の多い水墨画のサイトが沢山見れます! これで少し、探索が速くなりそうです。! |
| 第百七巻 「2002年の元旦」 平成14年1月1日(火) 謹賀新年 21世紀の激動の一年が過ぎ、2002年の元旦を迎えました。 昨年は、9月に起きた同時多発テロなど、世紀の大事件が勃発し、ニューヨークに留学中の24歳の娘の安否を気遣うなど、公私共に大変な年でした。 12月に開催しました、墨色・花いろ展には、100人を越す方々にご来場賜り、本当にこころから感謝しております。どうもありがとうございます。 今年で本格的に書をはじめて4年が過ぎ、毎月三題の競書課題をこなしてきた成果でしょうか、ようやく段位に手が届くところまで上達できました。これもひとえに、心温かい励ましの気持ちで接して頂いた仲間のお陰です。 墨色・花いろ展で試みた幾つかの試作の中で自分では気がつかなかったところを発見しました。これは今後の自分の作品の方向性を決めることになろうと思われる決定的なものであろうと今考えています。 今年は、この自分らしさを大切に守り育て上げることを目標に、さらに幅広い分野への挑戦もしていこうと思っています。 どうか、本年もよろしくお願い申し上げます。 何でも結構ですから、ご感想やご意見賜れば幸いです。 よろしくお願いもうしあげます。 末筆になりましたが、皆様のご健勝をお祈りいたします。 2002年 元旦 畑 神左 |
| 第百六巻 「プロとアマ」 平成13年12月8日(土) 二人展の後藤先生と、いろいろ芸術談義をさせていただいた時、少しお酒が入っていましたが、どういう話の展開だったかは忘れましたが、プロとアマの違いについて話し始めました。 私の考えは次のようなものです。少し誇張したいい方ではありますが。 「プロ」というのは、作品に値段がつくので、打算的になり、作品の品質をとことん突き詰めることはしない。 「アマ」というのは、作品に値段はつけないので、どこまでも作品の品質にこだわって追求できる。 後藤先生は、すでにセミプロとして活躍されていますが、私のこの考えは面白い!とおっしゃいました。 しばらく歓談したあと、また、彼はプロとアマの違いの話を持ち出してきました。 「プロ」と「アマ」の差は、技術の完成度であると。 当然のことながら、技術を磨くために要する時間は、アマがプロにかなうわけもないでしょうから、プロの技術はアマの比ではないかもしれません。 それはそれとして、私の言いたかったのは、少し違うのです。 「プロ」は生活がかかっていますので、作品の大半は、人手に渡ります。 私がもし、プロになったら、自分で一番できのいい作品は、自分の手元に残します。ということは、お客さんに渡るのは、一番ではない!2番以下のものです。 今の私は、「アマ」であり、たぶん将来もアマですが、一番いい作品は手元にはありません。みな、人にあげてしまいます。 どれが一番いいのかは、プロ・アマの区別なく、作家自身が一番よくわかっていますので、その中で一番いいものを人に上げるということは、どういうことなんでしょう。 書をはじめてまだ、4年しかたっていないので、今は書くたびに上達していますから、常に、今より明日はもっとうまく書ける。昨日よりも今日はうまく書けた。 締め切り時間のぎりぎりまで書ければ、きっと最後の一枚が最高なんだといい聞かせます。 結局、プロとアマなんて言う必要はなかったのかもしれません。 自分がどこまでも作品にこだわりたい! 少ない時間で、才能もない自分が、大書家になれるわけでもないから、単なる寝言に過ぎないのでしょうが、プロって必ずしも良い作品を作っているのだろうかと何時も疑問に思っています。 アマはアマの楽しみ!とことん気の済むまで没頭できるという喜びは貴重ですね。 |
| 第百五巻 「二人展を終えて」 平成13年11月29日(木) 今週の月曜日に、無事に墨色・花いろ展が終わりました。 たくさんの人にご来場頂き、大変感謝しております。皆様、連休をはさんで、いろいろと予定があったんだと思いますが、貴重な時間を割いてもらってありがとうございます。 この場を借りてお礼申し上げます。 また、都合でご来場いただけなかった方からも、お詫びのメールを多数もらいました。わざわざ申し訳ございませんでした。 メインの作品や、会場の雰囲気、ご来場くださった方の写真(ほんの一部ですが)を掲載させていただきましたので、会場へお出で願えなかった方にも、ここで楽しんでくださったら幸いです。 今回の二人展を終えて感じたことを幾つか述べたいと思います。 まず、油絵と書のコラボレーションがうまくいったのかどうかという点ですが、意外とうまくいったと思っています。油絵作家の後藤さんとは今回初めてでしたが、2ヶ月前の初めての打ち合わせで展覧会のテーマを、「墨色・花いろ展」を決めてもらった後、3時間ほど懇親いたしましたが、この時から作品のイメージを高めて行きました。 お互い、1月半という、非常に短期間に、15点の作品をそろえなくてはならない、ハードスケジュールでしたが、展覧会場に作品を持ちこむまでは、案内にある一枚の絵と董其昌の臨書の折帖しか手がかりがないままに、会場にて作品をはじめてみました。 後藤さんの強い指導で、絵と書を交互に飾ることを決めたはいいんですが、その組み合わせには相当、頭を使いました。この組み合わせの妙が一つの成功要因だったと思いましたし、いい勉強になりました。 また、後藤さんの作品は、殆どが花の絵ですが、書に合わせるために、油絵でありながら日本画タッチを多用してもらったことも、書との反発を招かなかったものと思ってます。 墨色という題をつけたことが今回の作品におおきく影響しました。 白黒の世界が基本とはいえ、もっと楽しく書の作品を見てもらえたらという思いで、墨も紫墨、茶墨、紙も茶・青の水墨画の背景のある加工紙をそろえ、いろいろな色、肌触りの和紙など、突然浮かんだイメージをすぐに作れるように準備したのが今回の大きな特徴です。 この話を、望月先生にお話しましたところ、何と!4つの趣の違う印を彫って送って来て下さいました。これまで作っていただいた、6つの印とあわせて10種もあれば大抵の作品にあわせられる!と同封の手紙に書いてありました。 本当にありがとうございました。 こうした準備のお陰で、今回は絶対時間が足りなかったにも関わらず、比較的気持ちには余裕がありました。もっとも書き込みが必要な、条幅は3本予定しまししたが、全時間の7割はこの条幅の書き込みに当てました。開催日の1週間前には軸装に出さなくてはならないので、締め切りのぎりぎりまで書き込みましたが、自分の評価としては、60点で時間切れになってしまったと思っています。 一度、表装に出してしまえば、もう自分の手を離れてしまったので、その後の一週間は、裏打ちの必要の無い色紙類の作成に没頭できました。 なお、半紙作品は、条幅と同じ日に額装に出したのですが、銀座で個展を行うということで、業者さんも気合が入ったのか、作品の雰囲気に合わせて、さまざまな額との組み合わせを行ってくれました。私も立ち会いましたが、こんなにいろいろな額の種類があるなんて知らなかったので、次から次へと倉庫から出てくる額の多彩さにあきれるとともに、流石に毎日このような作業を行っているプロだけあって、その手際の鮮やかさには感服しました。 作品中、もっとも評判の高かった「雪」や「墨色・花いろ」「魚」などは、特注でもしたかのように、ぴったりでした。 こんなに額の種類があるのを知りましたので、次回は額のイメージを頭にいれながら作品を作れるなあとも感じました。 書というと、一般の方には、絵とちがって、むずがしいという印象があります。 それは、草書作品などでは先ず、読めない!釈文が添えられていても、漢詩の意味が分からない(読めない)ので、良いのか悪いのか評価できないという話をよく聞きます。 杜甫の詩を注文いただいた方も、叔母さんが書道家なんだそうですが、いつも自分が読める作品ではないので、親しみがないので、是非「読める」のをという条件をもらいました。そこで、行体を中心に書いたんですが、一部デザインの関係で草体を入れましたが、元の漢詩をご自分で選詩されていますから、勘弁してもらおうと思ってます。 作品の中で、もっとも人気の高かったのは、「雪」でした。額ともうまくマッチしていて、かわいいというか、ほのぼのというか、「アートだなあ」という表現してくれた人もいるとおり、メッセージが自然に伝わってくるという評価でした。書は文字の意味でメッセージを伝えるゲイジュツですから、意味がわかることが作品の条件ですので、やはりどなたでも読めることが必要なのですかね。 いくつか一文字で色紙を書いたのですが、「なんて読むんだ!」「?文字読めた!」という風に、文字当てクイズの状況になってしまいました。 ある意味では非常に親しみのある書の楽しみ方なんだなあと、新しい発見をしました! 気が付いたら、だいぶ長文になってしまいましたね。 こんな調子で書き進んで行ってもいいですが、このコーナーでテーマを変えて書くことになろうと思います。 いずれにしても、こういう自分を出せる機会ができたことは、大変な自分再発見になりましたし、見てもらった方も、書というのは、こんなにも自由な表現ができるのかと再評価をしてもらえたことがうれしかったですね。 書の見方には、プロもアマも無く、さまざまな楽しみ方があります。 今回は(も)、自分が一番楽しめましたし、一番勉強になりました。 改めて、皆様の暖かいご支援に感謝申し上げます。 後藤先生には、もっともお世話になりました。次回のゲイジュツ談義を楽しみにしてます。 |
| 第百四巻 「秋を堪能」 平成13年11月3日(土) 今年の秋も、芸術、スポーツを堪能しています。 芸術では、この書道が一番です。11月21日から始まる二人展(銀座の一燈画廊で11月26日まで)の作品製作を堪能してます。2年前の三人による連展の時には、必死で作品を仕上げた記憶がありますが、今回は必死というより、たくさん楽しんでいます。書を始めて4年、自分の好みが大分はっきりしてきたこともあって、今回は、あまり欲張らずに、自分らしさに素直になって、できるだけ自分が楽しもうと思ってます。 また、近所にいらっしゃる陶芸家が、毎年開いている個展にも出かけてきました。陶器のランプが非常に個性的で、今年も一つ手に入れました。粉引きの茶碗や皿もまたすばらしいので、毎年何枚かを買いつづけています。今年の夏に、家内も陶芸に興味を持ちはじめたので、その作家にあれやこれや、直接指導してもらっていますので、私もついでに、少しずつ陶芸の知識もできてきました。いつか、家内の陶器と私の書の合ができればいいなあと思ってます。 書の作品をデッサンするのに、さまざまなジャンルの芸術に触れることが大切だと思い、時間を見つけて、あれこれ展覧会を見たいなあと最近つくづく感じます。 日展は毎年行ってますが、今年も出かける予定です。ネットで知り合った方が入選されてもいますので、直に拝見するのも楽しみです。 スポーツも書に負けないくらい楽しんでます。 今年の2月に5kmでデビューしたマラソンも、つい先週、ハーフマラソンに初挑戦し、初完走できました。その間、10kmを2回完走してます。今年は、あと2回、11月11日の横浜マラソンで、10km、11月25日の丹沢湖マラソン(ハーフ)で、2時間10分以内の完走をしたいと思っています。 エンジョイランニングという、マラソンの仲間がいて、一番最後に走り始めた、初心者の私にとって、とてもありがたい支援をしてくれてます。手賀沼では、自分の記録を省みず、私の遅いペースに4人もガードランナーを勤めてくれ、間断なく励ましの声かけや、走りながらの写真撮影、またレースのさまざまな智恵やテクニックをたくさんもらいました。来年はフルマラソンに是非挑戦してみます。 また、私の好きなスポーツといえば、ゴルフです。 今日、社内のコンペがあり、午後からの雨模様にもかかわらず、82の好成績で優勝してしまいました。ここ15年の練習の成果が確実に出るようになってきて、今日は納得のいくゴルフでした。 こうして、贅沢にも、芸術の、そしてスポーツの秋を堪能しております。 |
| 第百三巻 「リンクをありがとう」 平成13年10月14日(日) 昨日、インパクのWEB公募展に出品されている、木庭景牙さんから、ご自分のHPへのリンクの申し出がありました。どうもありがとうございました。 またまた、書の友人が一人増えました。 インターネットを通じて、頑張っていらっしゃる何人もの書の仲間ができ、本当にありがたいことだと思っています。 公開されているHPだから、リンクを張り合うのに特に問題はありませんので、わざわざメールをもらう必要はないとはいうものの、やはり、こうしてメールをもらうと、非常にうれしいものですね。お礼に私は、必ずこちらもすぐにリンクを張ることにしてます。 独学で書と親しんでいる私のような人には、特に、こうしての書の仲間のコミニュティが広がっていくことを実感できるなんて、書の楽しみを倍化させてくれますよね。 これからも、どんどんメールください。 また、掲示板にもどんどん書き込んでください。 よろしくお願いします。 |
| 第百二巻 「ヒロシマ平和書道展賞受賞」 平成13年10月12日(金) 今の表紙を飾っている、作品と同じ詩を行書で書いた作品で応募した、ヒロシマ平和書道展の審査結果が届きました。 初めての応募でしたが、個人特別賞の一つである、ヒロシマ平和書道展賞をもらいました。 この一年くらい、行書(一部草書混じり)を勉強してきた成果が出てのかなのと感慨ひとしおでした。 なぜ、あれこれ、公募展に応募するのかと思われる方も多いと思いますので、私なりの考え方を述べておきます。 私のような独学で書を楽しんでいる方には、共感していただけると思いますが、日頃、書の先生に直接指導してもらっている方と違い、日々の訓練がどの程度の成果になっているだろうかとか、今の勉強の仕方でこのまま続けていて本当に上達してるのだろうかtか、自分の実力って一体どのくらいなんだろうかとか、自分ではとても評価できない不安が常につきまとうでしょう。 このとき、競書誌での課題を評価してもらって、順々に段級をあげていくのも一つの楽しみであり、客観的な評価をされるので、励みになります。 ただ、競書誌でもらう、段級はある程度の実力を知る目安にはなりますが、所詮、競書誌を発行している書海の中での評価であり、どんなに実力があっても、何段階も飛ばして昇級・昇段することはないです。 これに引き換え、全国レベルの公募展では、師範格でも、初心者でも、関係なく、作品のレベルを比較的客観的に評価してもらえるので、非常に参考になります。 今回のヒロシマ平和書道展は、望月鶴川先生から紹介されたので、今年初めて応募してみましたところ、いきなり特別賞を受賞してしまいました。 こういうのを望外の喜びとでも申すんでしょうか。 11月の二人展の準備中であるだけに、いっそう作品作りに緊張というか、責任というか、奇妙な感情になっています。 大東書道全国展にも応募してましたが、結果はどうあれ、興味津々です! |
| 第百一巻 「銀座で個展」 平成13年10月7日(日) このコーナーの101回に何を書こうかと思いつつ、また1月があっとい間に立ってしまいました。 今回選んだテーマは、「銀座で個展」です。 誰の個展かって?実は私の個展です。といっても、油絵との二人展です。 11月21日(水)〜11月26日(火)まで、銀座第一ホテル前の「一燈画廊」というところで、「墨色・花いろ」というテーマで行います。 まさかとお思いでしょうが、今、作品は一つもできていません。 これから、1月の間に作らなくてはなりません。 ですから、今大変なプレッシャーを感じています。 この個展を企画してたのは、私の友人のピアニストである島谷恵介氏です。 彼は音楽のみならず、いろいろなジャンルのアーチストを支援する、Artist Community JAPAN(アーティスト・コミュニティ・ジャパン)という組織を立ち上げ、「芸術における伝統の継承を踏まえ、かつ斬新的、革新的な発展に尽力する芸術家を支援する」目的で活動を行っている方です。 昨年の暮れに、彼のファミリーコンサートに友情出演して、ミニ連展というのを開催しておりますが、今回のもっと本格的なものになりそうです。 これから、殆ど時間がないので、全て一枚で仕上げる気持ちで頑張りたいと思います。 詳しい案内が出来ましたら、また宣伝させて頂きますので、よろしくお願いします。 |
| 第百巻 「やはり独学って楽しい」 平成13年9月8日(土) もう一ヶ月もこのコーナーを休んでしまいましてごめんなさい。 今回はちょうど、百巻という節目なので、何を書こうかと頭の中でまとまらなくて、ついつい遅くなってしまいました。 そこで結局、表題の「やはり独学って楽しい」というように、このコーナーの原点をもう一度考え直すことにしました。 このHPを開設して以来、掲示板だけでなく、いろんな人から励ましなどメールをもらいます。 「自分も独学で楽しんでいる・・・独学と独習との違いを教えられて気を強くした」とか、 「独学のすすめを全部読みました。・・・自分と共感する部分がとても多い。これからも頑張りましょう」とか、 「競書課題の作品に書いてあるコメントが大変参考になります」など、反応もさまざまです。 また、掲示板やメールを書くのは気が引けるが、と、口頭でいろんな言葉を掛けてくださる方も大変多いです。直接にせよ、間接にせよいくらかはこのHPも世の中の書に興味を持っている方々に参考にしていただいているのかと思うと大変うれしく思います。 仮に、自分がどこかの書道会に入っていたら、多分このような自分勝手な、誰にも遠慮の無い自由なHPを開くことがなかったんではないかと思います。自分の考えや趣向をこうしてインターネットに公開するなんて、ちょと前までは難しかったのですから、インターネットに一番感謝をしなければならないんでしょうね。 わたしの場合、独学といっても、素晴らしい先生もいますし、仲間もたくさんいます。独学という言葉には、あまり楽しいというイメージはありませんよね。一人で黙々と努力して、苦労を重ねて一流になるという暗いイメージが一般的ですが、みなさんどうでしょう。 このコーナーをいつも見ていてくれる方には、決してそんな雰囲気は感じられないんではないでしょうか。 最近どこかで読んだ本の中に、人は幼い頃好きだったものは、一生好きなんだ。年を重ねる毎に、子供の頃好きだったものをやりたくなる。のだそうだ。 私も、全く同様です。 先日、35年ぶりに中学の同窓会に行ったら、当時の美術の先生が出席されていました。当時の授業の内容はよく覚えていませんが、板書の文字が素晴らしくおしゃれで、うまかったので、そこばかり見ていたのを覚えています。また国語の先生の板書の字も素晴らしかったことも記憶に新しいです。 やはり生来すきなんでしょうね。「好きこそ、ものの上手なれ」と言う風に、もっと書をうまくなりたいものですね。 やはり独学って楽しいなあ! 皆さんの独学ぶりを紹介したいと思いますので、どんどん、お寄せください。このコーナーで発表したいと思います。よろしくお願いします。 |
| 第九十九巻 「芸術的な看板」 平成13年8月6日(月) 繁華街を歩いていると、お店の看板の文字が非常に気になります。 時に、すごく良い形の看板に出会うことがあります。一見して、明らかにこの作者は、大書家とは思えないが、才能あるデザイナーなんだなと思われることがあります。 お店の名前ですから、3文字とか4文字の短い看板ですから、思い切ってデフォルメされた中に、素晴らしくデザイン性のある文字であることに興味を惹かれます。 一体、書の作品と看板作品とは、どこが違うんだろうかと考えると、よくその区別が出来なくなります。もともと違うと考えるのが間違っているのでしょうか。 確かに、看板には有名な書家の作品も数多くあるのだろうし、また日本酒のラベルの字も、相当な書家がたくさん書いていますからね。 明日から、横浜三越で、榊莫山の個展が開かれますので、是非見に行きたいと思います。莫山は日本酒のラベルも書いておられる超有名な書家ですし、あのデフォルメの仕方は、莫山の真骨頂ですし、まったく個性的です。 いろんな文字をみると、チャレンジしてみたい形がたくさんありすぎて、一つに決めきれないので、いつも迷い迷い書いてます。 いわゆる、「看板の文字」にならぬよう、「芸術としての看板」を書けたらいいのになあ。 |
| 第九十八巻 「自分の書風」 平成13年7月1日(日) 書には篆書・隷書・草書・行書・楷書・調和体といった5つの基本の書体があります。 この各々の書体に、さまざまな書風があります。書風は極論すれば、ひとりひとり、すべて異なる書風があります。一般には、王羲之風とか、顔真卿風とか、さまざまな古典の名筆にちなんで分類されます。 書が芸術として位置付けられるためには、作者自身の個性ある自分の書風を作ることが目標となります。ただし、個性溢れるものが簡単に作れるのかと問われたら、並大抵の練習では、芸術たりうるレベルで自分の書風は作れないといわざるを得ません。 書を志すものの多くは、さまざまな古典を臨書してさまざまな書風を身に付ける努力をしています。5年や10年では、まだまだで、一生かかっても自分の書風を確立できるかどうかも怪しいものです。 だからといって、勝手きままに、思いつきで良い書ができるでしょうか? それでは、多くの人を感動させる作品はできません。 ・・と、偉そうに書いていますが、時々この誘惑に駆られます。 もう、練習はいいから自分のオリジナルでいけるのではないか!ってね。 この誘惑に負けて、いろいろ、バタバタしても決して満足の行くものはできないのを実感して、また練習に励むということを繰り返すんです。 ・・書というのは、この繰り返しをしながら、少しずつ上達して行くのが一つの楽しみなんではないでしょうか。 みなさん、あまり焦らないで、じっくりと書を楽しんでください。 |
| 第九十七巻 「Web公募書展」 平成13年6月24日(日) 書のリンク仲間の、畑中壺竹さんが、インパクでWeb公募書展を開催されています。 先日メールにて、作品の応募要請がありましたので、早速、最新の作品を応募しましたら、掲載してくださいました。どうもありがとうございます。 下記のサイトでご覧になれますので、訪問してみてください。 なお、 ●Web公募書展 まだ、3点しか掲載されていませんので、どしどし皆さん応募してあげてください。 新しい書の仲間が増えるますよ。 |
| 第九十六巻 「芸術仲間」 平成13年6月15日(土) 今週の初めに、伊豆の天城にて、俳句を趣味となさる方に出会いました。 ある、情報システム研修の合宿だったんですが、お互いに、趣味のホームページを披露しあってから、急に親密になりました。 二泊三日の最終日でしたので、じっくりとお話もできなかったのですが、HPを通しての交流がこれから始まりそうです。(かってな気分でごめんなさい) 「日出登文芸」というサイトで、自作の数多くの俳句作品を紹介されていて、句にちなんだ写真などもうまく構成されていて、とても楽しいし、お人柄がよく出ています。 是非、みなさん、ご覧になってください。 こういうあらたらな「縁」ができると、ますます、このサイトは止められない!です。 本田日出登さんに教えてもらって、いつか、自作の俳句で作品を書いて見たいです。 よろしくお願いします。 |
| 第九十五巻 「絵のような書」 平成13年6月9日(土) いやあ、久しぶりでした。ご愛読者には大変もうしわけありませんでした。 はやく更新しなくていけないと思いながらも、書くテーマが見つかんなくて? 言い訳はその辺で勘弁して頂いて。 今日は、絵のような書と題してチョッと書いてみます。 今、表紙に飾ってあるのを、書とみるか絵と見るか、それは言い過ぎですね。 書であって、絵のように見えるといった方が正しいのでしょうね。 ここに書いてあるのは、私の生まれ故郷の富山県の猟師町のお祭りの時に繰り出す、山車を曳くときにみんなで口ずさむ歌詞です。 「おっぺけたいさん、のやのやのや、・・・・・」 近く、開店する、居酒屋割烹「葉多舎」のお店の壁に飾られるものです。 お店の、暖かい雰囲気をかもし出すような、庶民的なものを書いて欲しいと、店主の従弟から依頼されたものです。 書というより、絵と見てもらったほうが、成功なんです! 前から、このような作品を書いてみたかので、ちょうど良い、開店祝いとなりました。 漢字文字は、もともと動物などをデフォルメした絵でしたから、篆書体を使えば、よりもとの字の意味がよく表れますので、漢字の書は、基本的に絵になりやすい?のだと思いますが、 こんどの作品は、資料調査不足のため、使われている漢字がよくわからず、「糸桜」以外は、全部、かなです。 ですから、絵のような書にしょうと思うと、文字に絵を語らせるのではなく、全体の形に絵のような景色を描くという方法を取りました。 字の下段を揃え、これを水平線に見立てて、各行の頭は、山々の稜線をイメージし、中心の「糸桜」は、白糸の滝をイメージしました。(最初からそう意図したわけではないんですが、2,3枚書いているうち、そういう気持ちに変化してきたんですが) 書の練習は、殆どが、お手本の臨書ですから、たまに、こういう自分で考案した作品を書くと、すごく楽しいです。 皆さんも、時々、自分のイメージを膨らませて、チャレンジされると、不断の練習の成果が思わず出てくることが自分で気が付くことがありますので、がんばって見て下さい。 正直、今回の作品はあまり自信は無かったんですけど、いつも批評してもらえる望月先生から、好評を得ましたので、うれしさのあまり、勝手なことを書いてしまいました。(^○^) では。次も近いうちに書きますね。 |
| 第九十四巻 「批評」 平成13年4月28日(土) 前回に引き続き、今回は昇段のご報告をします。 昇段してうれしいということはもちろんですが、昇段・昇級する際に、審査員の評価が掲載されるのでそれを見るのが楽しみなんです。独学者には、これが何よりの頼りなんです。 この審査員の批評がないと、結局自己満足に終わってしまいますからね。 ちなみに、今回は臨池で初段から準二段に昇段したんですが、その批評は次のようなものです。 「稍細墨を含ませて柔軟なる筆致で連綿良く運腕せる作はまさしく遊春を感じさせる雅趣深き作」 これは、ここ2ヶ月程、表紙に飾ってあったものです。「人従花裏遊春」を行書で書いたものですが、予想以上に良い批評だったですね。紙面の関係で、批評は一行のみなので、特殊な用語が多いので、理解に苦しむことが多いです。 悪い点も書いてあればもっと助かるのですがね。 |
| 第九十三巻 「昇級」 平成13年4月13日(金) このコーナーを見てくださっている方には、久しぶりの更新で申し訳ありませんでした。年度末で、職場の立場が変わり、送別会やら歓迎会やらで、毎晩のように懇親会で筆を持つのもママならず、ましてこのコーナーにまで、気が回りませんでした。週一回は最低更新することを実行してきたんですが、もう1ヶ月近くになってしまいました。 昨晩、書海4月号が届いたので、いつものことながら昇級を期待しながら、目を皿のようにして小さい活字をくまなく探しましたら、なんと、初めて◎をもらい、3級乙から3級甲へ昇級していました。 楷書の勉強にと、望月先生から薦められて1年余り、一番練習してきた楷書の課題で、写真が掲載されて昇級したことはとても嬉しい気持ちになりました。なに?3級でそんなに喜ぶの?といわれそうですが、自分にとっては凄い勲章をもらったような気分なんですね。 昇級した書作は、表紙にもしばらく飾っていました「一意磨端硯」で、自分でもまずまず書けたかなとちょっとだけ期待できそうな出来栄えだったので、もし、これで昇級しないのならば、一生昇級しないで終わるんじゃなかろうかなんて、すこし大げさですがドキドキしました。 高木高柳先生の寸評は、次のようなものでした。 「神左君、本文は雄渾な筆致だが、落款左字は一考を要する」というものでした。書の批評の言葉ってふだんは殆ど使わないものが多く、「雄渾」といわれてもピンと来ませんね。感じの意味を考えればなんとなく想像はできますけど、自分で期待した批評とは少し違うかなって思いました。 落款の「左」字については、くずし方が「世」に似ていて紛らわしいと先生から指摘を受けていたように、自分でも気になっていたんです。それをズバリ書かれていたのは、返って納得しちゃいまして、さて、どうしたものかと「一考」中です!? |
| 第九十二巻 「書を教える」 平成13年3月10日(土) 昨晩、我が家に泊まった19歳の姪っ子が、自分も書をやりたいので私の書くところを見たいといってくれました。私は嬉しくなり、墨を磨って書斎で待っていましたら、「墨の香りって好き」という。 家内も我が家の子供達も一度もそういうことを言ったこともなく、まして書くところを見たいなどと言ってくれたこともありませんでしたので、余計に嬉しくなったのでしょうね。 自分の名前を書いて欲しいというので、「菊池由美子」と楷書で書いてやりました。それを見ていた姪は、中学の頃習っていた、書の先生のことを思い出したのか、「先生みたい!」と、まあ、お世辞でしょうが、少し得意げになっている自分が、おかしくまなりました。 続いて行書や草書、隷書で書いてあげたら、その度にびっくりしていました。自分の名前が読めなくなっていくのと、こんなにも文字が変化することに驚いたようです。 結局、最初は遠慮していましたが、結局自分でも書くと言い出したので、楷書で恐る恐る書き始めました。筆が思うように使いこなせないのが腹立たしそうでした。 そこで一緒に筆を持って、トンスートンのリズムを体験させ、直筆と側筆の違いによって、線の強さが違うことまで話してあげると熱心に聞き入っていました。 気が付いたら条幅の書き方なども講義していました。 これまで、書は教えてもらうことばかり考えてきたのに、自分が教える立場になってみて初めて気がついたのは、自分の知識があいまいなこと、何から教えたらいいのか、どう教えたら良いのか、本当に貴重な経験をしました。 私の書の先生が、3歳の女の子を教えるのに困ったとおっしゃていたことを思い出しましたが、生徒さんにあわせて、的確に教えることの難しさを少しだけ理解できたような気がしました。 教えることにより、初めて知識が自分の物になると思いますし、50歳も越えてくると、特に他人に教えることが一番効果的だそうですから、これからは、迷惑周りの人が迷惑でしょうが、教えることに挑戦してみようかな! |
| 第九十一巻 「書を楽しむには」 平成13年2月19日(月) 表紙に載せました、「一意磨端硯」の楷書は、書海の課題を真似たものです。 昨年の昇級試験の課題と同じで、2回提出することになったので、前回も相当練習したんですが、今度また練習すれば前よりももっとよくなるだろうと思って、必死になって頑張りました。 昨年ずっと、書海の楷書に挑戦してきて、最初よく見えなかった細かいところが見えてきて、何とかそのコツみたいなものが分かりかけてきました。 特に起筆に神経を使います。半紙のにじみと関係がありますが、墨が薄いと滲みが出すぎて切れがでないし、墨が濃すぎると線に伸びがなくなるので、その加減を体得するのに何度も何度も書きました。紙も中国製の安いものとか、国産手漉きの高いものまで、数種類を使い分けながら試してみました。全く滲みのない紙の場合、線の切れは出るのですが、味というか深みが出ないので、やはり漢字には少し滲みのある方がいいですね。 墨は毎回必ず、30分ほどかけて磨りますが、それ位では濃い墨を作るのが難しく、使い残したもので次の日に書くと、しっとりとして良い感じの場合が多いです。 これは、以前、望月先生に教えてもらった事ですが、毎朝磨った墨を半日以上寝かせておくとよく馴染むということなんだろうと分かってきました。 あと、自分の癖を直すのが一苦労です。 まず、蔵鋒の書き方がまだ未熟なので、気が緩むと露鋒になってしまうこと。これには、手首を固定して肩を使って書く技術を試行錯誤して身体に憶えこませています。例えていうと、バドミントンでは手首を使うが、テニスでは手首と肘を固定して肩を使うという違いかな?うまくいえませんが。 それと、右肩あがりになり勝ちという癖です。50年近くの間に身についてしまったものですからおいそれと直るものではないですね。これは、お手本を良く観察するしかありませんね。何度も何度もお手本を見ていますと見えてきます。自分の勝手な判断では絶対にうまく行きません。必ず自己満足の書になってしまって上達を阻害します。 まあ、そんな自分の癖を生かすようにと先生にたまに言われますが、自分が不満に思っていて、悪い癖はやはり絶対に直したいと考えています。 それには、ひたすら臨書、臨書でいろんなお手本をそっくり同じに書けるまで頑張るしかないと思います。 臨書はそこそこにして、作品に個性を出すという考えもありますが、私には本当の書の醍醐味を味わうには、なにか不満が残ります。 好きなことですから、辛いと思ったことはありません。3時間も書きつづけると、身体がしんどくなることと、肩が懲り、腰が痛くなるということはたまにあって、また寝不足になることもよくありますが、仕事ではないので、プレッシャーはない分、気楽です。 書はやはり、楽しいですね。うまく書けた時の喜びは格別です。 ぜひ、皆さんも書の楽しみ方を見つけてください。 では。 |