独学のすすめ   第六十一巻〜第九十巻   

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第九十巻 「徒然なる話題を4つ」 平成13年2月18日(日)

 ここのところ、このコーナーを更新するペースが落ちて、一週間に一度位になってしまいました。今回が、九十巻目になるので何か節目になるような題材をと考えていましたが特にまとまった話もできないので、徒然なるままに書きます。

@良寛さん
 渋谷の東急で「良寛さん」を見に行ってきました。私には良寛が天才だとよく言われのですが、その良さがよく理解できません。確かに、幾つかの大書作品には眼を見張るものもあるんですが、すべてが上手いとは思いません。
 以前、王羲之の字をみて上手いとは思わなかったことを思い出し、これは私の書を見る目が肥えていないのだろうと自分を納得させてはいます。莫山さんは、良寛をベタ誉めしますし、村上三島先生も良寛の字を次の時代を予感させると書かれています。
 芸術というものは、自分の好き嫌いのみで判断しては行けないということもあって、食わず嫌いはよくないと、あれこれ鑑賞する努力はしています。
 いつか良寛さんの素晴らしさがわかる日が来るでしょう!

 A住友生命のオープンギャラリー
 新宿(東京)にある住友生命本社ビルの壁を利用した、オープンギャラリーがありますが、この前通りかかりましたら、小中学生の飛び切り上手な書初めがずらりと並んでいました。
 以前このコーナーでも取り上げた、鹿児島大学教育学部付属小学校6年の吉田智恵さんという子の作品にまた出会うことが出来ました。
 文部大臣奨励賞を受賞した作品ですが、作品の批評文にこう書いてあります。
 「見事な筆使いで作品の中心が通り・・・小学生として申し分ない・・・・」
 特に注目されるのは落款の字ですね。他にも沢山、受賞作品がある中で、彼女の作品はやはり光って見えました。

 B書の本の立ち読み
 東京駅の近くにある八重洲ブックセンターの地下には書の本が結構おいてありますので、たまに買いに行きますが、この前立ち読みしていたら面白いことを発見しました。
 私が尊敬している、村上三島先生も、昨年無くなられた殿村藍田先生も共に建築関係の家にお産まれになったそうです。書の家庭ではないので、若いとき相当、勉強されたことが伝記に書かれていました。
 全く関係ないですが、私の父も建築関係だったので少しは自分にも通じるものがあればと勝手に思った次第です。(こじつけも良いとこ!)

 Cくずし字解読辞典
 大分、立ち読みさせてもらったので、一冊こういう本を買ってきました。
 東京堂出版から出ている、「毛筆版 くずし字解辞典」というやつです。学習院大学名誉教授の児玉幸多という文学博士の監修によるもので、くずし字からもとの字を探し当てるための辞典です。古文書などを解読するのに役立つと書いてありました。
 似たようなくずし方の字が並んでいるので、間違ったくずし方をしていないかを判定するのに役立つと思います。
 いろんな辞典があるんですね!
 一冊手元にあっても良いと思いますよ。

第八十九巻 「ちょ遂良の楷書千字文全臨」 平成13年2月11日(日)

 
昨年の暮れから少しずつ臨書してきた、ちょ遂良の楷書千字文をようやく全部終えた。
半紙に6字ずつ4号の筆を用いてじっくりと、一日1時間ほどで14枚、細かい部分に注意しながらだとなかなか進まない。
 毎日書けるわけではないので、週に、1,2度なので結局、全臨するのに2ヶ月近くかかってしまった。
 ちょ遂良の楷書の筆使いは、行書に近く流暢な筆の運びの中に楷書らしい起筆や終筆があるので、筆の速度の変化がむづかしい。千字を書き終えるころになってようやく、その特徴が掴めるようになったが、最初の頃のを見直すと何故だかぎこちない感じがする。
 千字文は、過去に何度か全臨したことがあるが、先を急ぐあまり観察力が鈍りがちになるので今度は注意した。早く全臨を終えることが目標ではなく!千文字の異なる形を習うと共に、一字一字を穴のあくまで観察して、すみずみまでとにかく真似ることを心がけるべきです。
 気に入らない文字や不得意な文字があったら、納得するまで繰り返して習うべきです。

 次の作品に、この臨書を生かしてみよう!と思う。

第八十八巻 「大阪天満宮の書初め」 平成13年2月4日(日)

 大阪の天満宮の境内に、今年の書初め大会の受賞作品が飾られています。2日に仕事で大阪に出張した際、会議場所近くの天満宮を見学に行きましたら、今年の書初め大会なんでしょうか、幼稚園児から一般まで100点あまりの受賞作品が展示されていましたので思わず魅入ってしまいました。
 大阪は書の本場、この天満宮は菅原道真公をお祭りしてある書道の殿堂で、境内には、梅香学院という書も教える教室もあります。(関岡松籟(日本書写技能検定理事)、川端侶香、坊農啓一)

 展示されていた作品ですが、特に小学生低学年の大阪府知事賞レベルには目を見張るものがありました。小学3年生のトップの子の線質を見て、自分でもあれほどは書けないなあ!と感心させられましたし、高校3年で大阪府知事賞をもらった、楠本亜紀さんの「江山花柳満」の草書が最も素晴らしかったですね。
 一般の部も半紙草書やかなの作品でしたが手馴れた感じのものが沢山ありました。
お近くにお住まいの方、一度見に行かれたらどうですか?
 書を初めてからというものは、常に書を探してキョロキョロとしているんでしょうけれど、まあこれも勉強の一つです。

第八十七巻 「都筑区民文化祭」 平成13年1月27日(土)

 今日から、私の住んでいる横浜市都筑区の区民文化祭が始まりました。
それにしても、またまた週末の大雪とは、タイミングが悪かったなあ!
 今朝の11まで開場に搬入する予定の作品を、桜木町にあるゴールデン文具という書道用具専門店に自動車で朝一で取りに行って、その足で開場に運ぶ予定でしたが、この大雪で予定が狂ってしまい、電車で出かけました。お陰で、少し疲れてしまいました。
 開場設営や作品の展示を自分で行う、全くのボランティアでして、都筑区から会場とパネルを無料で借り、受け付け、飾り付けなどは、出品者で手分けして行います。
 ここに展示された作品は、特に賞を決めるわけでもないので、その実力はバラバラでして、書の先生から、私のような初学者まで、様々なレベルの作品が入り混じっています。
 展示場所も不公平にならないよう、当日抽選です。今回は、「へ」の52番の籤を引きましたら、なんと昨年と同じ場所でした。
 
一般の書中の展覧会ですと、もっとも良い場所に、その会の会長さんの作品が一番目立つところにありますので、時間が無いときには、そこだけ集中して鑑賞すれば、後は特に見なくても大体全部の作品のイメージが湧きますが、この文化祭ですと、レベルがバラバラになるので、一応全て見ないと、どれが一番素晴らしいかが分からないから、結構楽しいです。
 当然ながら、自分の作品の隣が気になりますよね!
 観衆の注目度にも一喜一憂したりしている自分が面白いなあと、童心に帰った気になります。いくつになっても、上手く見られたい、誉められたいという気持ちは変わらないのですね。

 
第八十六巻 「神奈川県代表書家展」 平成13年1月21日(日)

 ゴールデン文具という、横浜桜木町にある書専門店の併設ギャラリーで、神奈川県を代表する書家69人による新春慶祝展を見てきました。
 すでに故人となった、天才殿村藍田氏の遺作や、吉田蘭処、大島嶽山、比田井南石など大家の遺作をはじめ、堂々たる作品を目の当たりにして、楽しい時間を過ごしました。
 日展のような、大きな作品ではなく、せいぜい半切の条幅程度の大きさなので、親しみやすいものが多く、書風が全て異なるので、大変参考になります。書体も様々だし、また表装、額装これも種々あって、時間を忘れて魅入ってしまいました。
 流石に大家揃いなので、どの書も長年の鍛錬の跡がにじみ出ていて、私も頑張らねばと思ったのでありました。
 なお、カタログにも全作品が写真入りで紹介されていて、これが無料でしたので、今日は特をした気持ちです。
 

 
第八十五巻 「文徴明に魅せられた」 平成13年1月7日(日)

 
昨日、文徴明の行草千字文をじっくり眺めましたが、その素晴らしさに、また魅了されてしまいました。文徴明は若い頃、字があまり上手くなかったとのことで、王羲之をはじめ、臨書に明け暮れて勉強したとのこと、持って生まれた能書家でなくとも、努力すれば、世を風靡する大書道家になれるなんて、非常に嬉しいですね。
 この話を読んで、少しばかり心強く感じました。
 董其昌も私の好きな書家でして、江戸時代は特に両者の書が日本人に好まれたそうですが、人気の秘密は、あの流麗さなんでしょうか。
 行書が特に名高い文徴明に今年は嵌りそうです!

第八十四巻 「新世紀にあたらな思い」 平成13年1月1日(月)

 皆さま、新年明けましておめでとうございます。
 昨年はこのコーナーをご愛読下さいまして誠にありがとうございました。
 もっと頻繁に更新する予定でスタートしたんですが、途中でスタミナが切れ、更新頻度が落ちてしまい、楽しみにされていた読者には申し訳ありませんでした。
 今年は、不定期ですが週一程度のペースでゆっくりやっていきたいと思いますので、どうぞよろしかったらお付き合いください。
 
 さて、昨年は、楷書を勉強しようと、九成宮、チョ遂良の臨書や、書海の松本芳翠の臨書などに取りくみ、ほんの少し、楷書というものに慣れてきたような気がします。大晦日の紅白歌合戦をラジオで聞きながら、久しぶりに写経を行ってみましたら、一年前には、うまく行かなかったことが出来るようになっていました。ここ一年は小筆は殆ど触っていなかったのですが臨書の効果が現れてきたようです。
 しかし、楷書でまだ納得が行く習作を残した試しがないので、今年も引き続き楷書にチャレンジです。一度、楷書で条幅を書いてみようと思ってます。

 また最近、文徴明の書の素晴らしさに出会い、あの気品のある流麗な書に心が奪われていまして、昨晩初めて臨書をしてみましたが、筆の表裏を極端なほど意識して使い分けなければああいう線が書けないことが分かりました。筆を返すタイミングとスピードが身につくまで、相当反復練習しなくてはならないな!と感じています。
 あの文徴明の行書は、やはり王羲之にルーツがあるようなので、蘭亭序をまた習います。
 行書もまた、作品を作りずらいので、こちらにも力を入れます。

 三好孤雲さんのご指摘のとおり、今年は徹底的に臨書をやって、我流を克服しようと思っています。
 これから一年後の自分の成長ぶりが楽しみです!
 途中のプロセスを全部見せますので、またご批評いただければ幸いです。
 
第八十三巻 「師が増えて嬉しい!」 平成12年12月30日(土)

 このサイトを開設していたお陰で、また新しい師が出来ましたのでご紹介します。
 まず、 畑中壺竹さんです。
 壺竹のインターネット書作展というサイトを開設していらっしゃいます。
 素晴らしい小品を常時更新していらっしゃって、私のサイトにリンクを張ってもらっています。
 なお、申し込めば更新のメールが届きます。とても親切で助かってます。
 →壺竹のインターネット書作展

 次に、ご紹介するのは、多木洋一さんです。
 次のような、メールを頂戴しました。

 本日,畑様のとても楽しいサイトを見せていただきました。特に「独学のすすめ」
は,畑様の書生活が本音で書かれており,とても面白く読ませていただきました。
 どうも,書道をやる人は筆で作品を書き上げるのに一生懸命で,言葉での発言が少
ないのではないかと思っているところです。そんな中で畑様のサイトは,お考えがた
いへんよく分かり,共感するところも多くございました。


 多木さんは「書を楽しむ法」というサイトを開設されていて、長年の書との付き合いを通して様々な試みをされていることが書かれていてとても参考になります。
 なお、書を楽しむ法を定期的に、しかも大変よくまとめておられまして、もっと早く出会えていれば良かったと思います。
 →書を楽しむ法

 そして、一番新しい師を紹介します。
 三好栄之助さん(孤雲)です。三好さんからは、次のようなメールをもらいました。

作品興味深く拝見しました。各体とも古典の徹底的な臨書をされてはどうでしょう
か。一人でやっているとどうしても我流になってしまうので、私は稽古の大半を臨書
に費やしています


 三好栄之助(孤雲)さんの書のページには、毎月、臨書をベースにした作品が掲載さてれています。今日確認しましたらすでに、21世紀の更新が終わっていました。(びっくり!)
 今年は楷書を勉強してきましたが、三好さんは、40年以上も楷書にこだわりつづけてこられたということ、頭が下がるとともに、その言葉のひとこと、ひとことが無にしみて分かります。
 →三好孤雲の書のページ

 以上、20世紀末にインターネットで出会えた、私の書の新しい師達を紹介しました。いずれもとても素晴らしいですから、皆さん是非ご覧下さい。

第八十二巻 「書のネットワーク」 平成12年12月20日(水)

 20世紀もあとわずかとなりました。
独学で書を本格的にはじめてから、もう三年経ちました。
この間、書を通じてたくさんの友達ができましたし、いろいろなことを学ばせてもらいました。
 その中でも、望月鶴川先生は、書はもちろんですが、努力を惜しまない生き方にじかに接することができて、大変勉強させられ,ました。感謝で一杯です。
 また先生のご紹介で、Nさんという方とは書はもちろん、写真においても趣味が合い、良い作品ができるとメールで交換して楽しませてもらいました。
 まだ、直接お会いしたことはありませんが、オーストラリアのパースにお住まいのNさんとはメールやHP、また競書誌で競い合う仲間として楽しくお付きあいさせていただいています。
 そのほか、いわきにお住まいのWさんからは、いろんな資料を送っていただいたりして大変ありがたく思っております。
 最近、2000人目で来訪してくれた人は、大学2年生でして書の授業のレポートを書くためにたまたま、このサイトを訪問してくれたそうです。インターネット時代ならではの書のネットワークがどんどん広がりつつあります。
 本来は仕事の仲間ですが、私の下手な書をもらってくれる人もたくさんいて、ますます頭に乗ってしまうのであります。
 このように、何人の友人がいるか数えたこともありませんが、年賀状の数が毎年確実に増えていってます。

 ところで、書作集には毎月3つの競書誌の課題を欠かさず載せていますが、どれも100枚くらい練習しますので、月に300枚、年間3600枚は書いたことになるんですね。他に展覧会用の条幅で300枚程度、臨書を5種類程度など、合計すると、一年で5000枚ほど書いたことになります。
 プロの書家を目指すには10万枚は書かなくてはいけないと聞いたことがありますので、年間5000枚だと20年もかかるんです。
 ああ、もうこれでは死ぬまでかかっても無理ですわ。
 (別にプロになる気はありませんけど)

今年は一番難しい楷書を中心に勉強しましたが、やればやるほど、その難しさが身にしみて分かってきました。来年の初めに、都筑区の文化祭に出品を予定していますので、今年の正月は、楷書作品に挑戦してみようと考えています。
 
 さて、これから、詩を選ばなくちゃいけないし、また忙しくなるぞ!

第八十一巻 「師を見つけるには」 平成12年12月13日(水)

 大東文化大学へ、特選をもらった自分の書を見に行ったとき、会場で写真撮影を頼まれたときのこと。
 数年前に文部大臣奨励賞を受賞したことのある、60歳くらいの老人の方でしたが、話好きらしく、ひとしきり書の話をさせてもらいました。
 今年の文部大臣奨励賞をもらった中学一年生の書を見て、「この子は素晴らしい」「弘法大師の再来か」と大声で褒め称えるものだから、周囲の人々が改めて見直して、みな歓声を上げておりました。
 こちらが質問する間もなく矢継ぎ早にいろいろと教えてくれるもんですから、こちらも話しに耳を傾け、大学の食堂で食事をしながら、さらに書の話が続きました。
 僕が、書道塾に行かず独学で書を楽しんでいるといいますと、独学では限界があるから、どなたか自分の好みの先生を見つけて習いに行きなさい!と強くすすめられました。
 彼は、成瀬映山先生のもとで長年修行されたそうで、今は地元でボランティアで書を教えているとしうことで、お金を取らず楽しそうに書と戯れているとのことでした。
 最初は独学といったものの、実は望月鶴川先生に過分な教えをもらっていることを告げると、そういいう先生がいるのなら大切にしなさいといってくれました。
 映山先生には300人ものお弟子さんがいるとのことで、直接指導してもらえる機会も少なそうでしたから、それを聞いただけで、私には長続きしないなあと感じました。
 書の勉強の仕方はいろいろあると思いますが、自分で先生を選ぶというのが最も理想ではないかと改めて思いました。
 でもなかなかそういう機会を持てる人はまれでしょうね。
 先ほどの彼も言ってましたが、人は生まれながらの書の手というものがあって、日展とか読売展とか大家の書がたくさん展示されているのを見て、「これが好きだ」「こういう書を書きたい」と感じたら、その先生に教えを請うのがいいんだと。自分も成瀬先生に弟子入りしたのはそういうキッカケがあったということでした。
 みなさんもなるべく多くの先生方の書を見る機会をおおく持てばきっと自分に最も会う師に出会えるでしょう!

 
第八十巻 「書談義に花が咲く」 平成12年11月22日(水)

 神奈川県民ホールで開かれていた全日国際書展に望月先生と友人の長阪さんが来訪され、横浜中華街で食事をしながらひとしきり、時間を忘れて書の話に花が咲きました。
 初学者である私の悩みをいろいろと打ち明けましたが、経験ゆたかな先生でも、悩みは同じであったことを知りました。
 例えば、作品を仕上げるのに何枚も何枚も練習するわけですが、手漉きの高価な和紙ではもったいなくて、つい安い紙で書いたとき、一番いい作品ができてしまった!とか、硯の中に残った墨がなくなりかけて最後の何文字かを書けば完成するというときに墨が切れてしまい、急遽すり直したら、滲みが出すぎて失敗しちゃった!とか、出足の一文字がうまく行き、リズムに乗って書いていくと、だんだん失敗が出来なくなり緊張が高まり、最後のハネで大失敗しちゃう!とか、まあそんな経験談がとめどなく続く。
 
 こんな話にいつも付き合ってくれる書の仲間がいるから、ますます書にのめりこんでいくのです。

 
第七十九 巻 「大東全国展で特選を受賞!」 平成12年11月11日(土)

 
またまた嬉しい知らせが届きました。条幅半紙も両方で特選だそうです。
とくに条幅作品は、このコーナーで、「作品の出来るまで」でご紹介したものでしたので、なおさら嬉しいです。
 詩の選定から、デザイン、作品の完成まで、望月先生に教えていただくことを最小限にとどめ、出来るだけ自力で仕上げようと努めた結果でしたので、これで少し自信がつきました。
 この調子で、また次の作品作りに邁進したいと思います。
 また皆さんのご支援をお願いします。
第七十八巻 「リンクで書の仲間が増えます」 平成12年11月05日(日)

 
今日、私のこのサイトにリンクを張って下さった方から、ご親切なメールを頂戴しました。
大変有り難い事です。最近は、書のサイトも大分増えてきましたし、こうしてリンクを張っていただくと来訪者が増えるので非常に感謝してます。
 こちらも早速、お返しにリンクを張りたいのですが、今全体のデザインを変えようと思っていますので、とりあえず、ここに紹介しておきます。

 その方は、畑中壺竹さんとおっしゃり、「壺竹のインターネット書作展」というサイトを運営されています。下記にURLを載せておきますので、是非ご覧下さい。
==============================
壺竹のインターネット書作展 
http://members.kinkikids.com/cochiku/

 
第七十七巻 「書家の書くところを見よう」 平成12年10月22日(日)

 
昨年、NHKの教育テレビで現代のかなの大家である桑田三舟先生の書の講座がありましたので、番組をみるのと同時に、毎回の放送をビデオ撮りしておいたものを改めて見直しました。日ごろ、私のように傍に先生が居ない人の一番困る点といえば、直接先生の書いているところを見れないことだと思います。私は、毎月最低3枚の課題を練習して提出していますが、お手本通りに書こうと努力しますが、どう書いたものか困ることがよくあります。つまり、例えば、この点の書き方、筆を逆入しているのはわかるけど、終わりはどう抜いたらいいのかとか、この線の強さをだすにはどの程度の速さが必要なのかとか、跳ねを書くときに、一度筆を上げて改めて下ろしたら良いのか、そのまま上げないで続けたら良いのか、などなど基本的なテクニックができていないので、なんとなく形が真似られても筆使いが違うのではないかといつも不安になります。
 こんなとき、やはり最も参考になるのは、いろんな先生の書き方を見ることができたときです。私は何人もの書家の書き方を見たわけではありませんが、数少ない中でも、書家によって筆使いが千差万別です。先ほど取り上げました桑田三舟先生の特徴はなんといても、そのリズムの大きさ、筆の扱いのスピードの差や大胆さです。筆を空中高く、立体的に流れを作るその書き方を始めてみたときは、凄いショックを受けました。作品だけを見て、その書きぶりを想像するのが臨書の良さでしょうが、やはり見る力や書く力の無い者には、かなり難しい作業になると思われます。
 私は望月先生には直接手ほどきを受けていませんから、先生の揮毛している姿は、一度しか拝見したことがありません。それは、たまたま我が家へ遊びに来てもらった折に、無理やり書いてもらった時のみです。いつもは添削をお願いしていまして、私の悪い癖ですが、ついついスピード感をだそうと筆が走りすぎる癖があるので、もっとゆっくり書けとのアドバイスをもらっていたので、さぞかし先生もゆっくり書かれるのだろうと想像していましたが、予想以上に筆を早く動かされるのにびっくりしたのと、非常に手首が柔らかく、筆の寝かせ方が私の倍以上でした。緩急のつけ方にも心地よい音楽を聴いているようなリズムがあり、大変感動した次第です。
 そのご、機会あるごとに、いろいろな書家の書き方を見ようとおもっていますが、なかなかTVでも放映されませんし、その手のビデオは馬鹿高いので手が出ません。
 独学で書を勉強している人にはとても貴重な教育材料だと思いますので、マスコミの方々
に頑張ってもらいたいですね。

第七十六巻 「最後に来て迷いました」 平成12年10月6日(土)

 
全国展に出す作品を表紙に載せましたが、なぜか「決まった!」という手ごたえがないので、また書き始めました。大変往生際が悪いです。
 表紙のより、少し強弱をつけた作品を書いたのですが、自分ではどちらがいいか迷ってしまったので、望月先生に評価をお願いしました。
 結局、表紙の方が全体としていいということになりました。皆さんの参考になればと思い、今回は特別に舞台裏を公開しちゃいます。
 先生ごめんなさい。
-------以下 望月先生のご批評---------
  
    
最後ですね、私は
写真Aの右の表紙にあるほうが良いと思います
理由は


1:余白が綺麗に生かされている
 これが第一で見た時に全体に無理がなく違和感がありません
 Bは始めの文字が大きく左に重くなっています。
 又全体に下部にも重みが多すぎるように思います

2:崩し方は同じですが文字のつながりがAは自然でBは
 ちょっとばらばらな感じがします

3:Bのほうは太細の変化に無理があるように見えます
 
全体には以上でAが良いと思います

「蒼」はBが良いですね。軽さと強さがミックスされて動きがあります
Bの「天一」は少し太すぎたかなぁと感じます

あとABとも△の終筆が筆が下りすぎてると思います
他はAはいいと思います

次に今回のか又はHPにある2番目のがいいかなと思います(1・2・3とある中の)
今回のもいいのですが、すこし気負いすぎてるように感じます


-------私の判断-----------
実は、私も写真Aがいいかなとは思っていました。
また、書の友人にも同じ結果をもらいました。

お二方には大変感謝いたします。
自分の判断は怪しいものですからね。

第七十五巻 「大東全国展の作品が完成」 平成12年10月1日(日)

 
締め切りに追われ、まとまって書ける時間が取れるのも今日が最後。
 朝10時から書き始めて、途中、食事と愛犬の散歩にいったときに中断しましたが先のほどまでずっと書き込みました。
 夜になって漸くリズムに乗り始め8時頃から全体がまとまるようになってきました。
 2時からj始まった、シドニーの男子マラソンを見ながら、墨を磨りましたが、無くなる寸前でなんとか提出できそうな作品ができました。
  表紙に掲載してものが一応の完成作品です。
 まだ少し締め切りまで時間がありますので、書き直すかも知れませんが。!!

第七十四巻 「また受賞してしまいました」 平成12年9月28日(木)

 9月15日(金)の第七十二巻でお知らせしました全日国際書展の公募作品が、何と昨年に引き続き「横浜市教育委員会賞」という大賞を頂いてしまいました。
 嬉しさのあまり、またこうして宣伝してしまってます。
  
 展覧会は、山下公園の真前にある神奈川県民ホールで、11月14日(火)〜11月19日(日)に開催されます。
 横浜に近い方、たくさんの素晴らしい書が飾られますので、お立ち寄りください。
よろしくお願いいます。

第七十三巻 「一期一會」 平成12年9月22日(金)

 表紙に載せました「一期一會」をお送りしましたら、今晩ごご主人から連絡があり、「おかげさまでお店が格調高くなりました」と、大変ありがたいお言葉をもらいました。
 
 どういう感じに飾られているのか早く見に行きたいものです。

 毎日いらっしゃるお客さんの厳しい視線に耐えられるかどうか自信が無いので少し複雑な気分です。
 でも、書は一生完成することがありえませんから、これまでの中での精一杯の実力ですから、認めましょう。

 
第七十二巻 「公募作品完成」 平成12年9月15日(金)

 競書詩「臨池」を出している全日国際書道展に、今年も出品するため準備してきましたが、今日完成しましたので、先ほど郵便ポストに投函しました。
 今年は、これ一本だけと考えていましたが、1ヶ月前に、大東全国展にも出品することを決めましたので、ほぼ同時に二つの作品を仕上げなくてはなりませんでしたので、全日国際書展の方は、昨年の秋の都筑区民文化祭に出した李白の遊洞庭という詩をさらに書き込んむ事としました。
 これはもともと、望月先生の作品をお手本にしたものですが、書き込んで自分の味を出そうと努めて見ました。基本デザインは先生のものを採用しながら、大小の変化や筆の使い方を工夫してみました。
 結局時間切れのため満足のいくものはできませんでしたが、何とか目標の60点位まではできたでしょうか!

 また、行きつけの京料理のお店に飾ってもらう「一期一会」の方も一応完成しましたので、表紙に飾って見ました。果たして気にいってもらえるかどうか?

 
第七十一巻 「写真掲載」 平成12年9月13日(水) 

 
今日、定期購読している競書誌「書海」の9月号が届きましたので早速開封しましたら、初めて写真で掲載され、漸く4級乙から4級甲に昇級しました。今年の2月から初めてでして大変嬉しかった。対象作品は、とても自信作とはいえない代物でして、そんなに書き込みをしていないんです。
 何はともあれ、書海の楷書にだいぶなれてきた証拠なんでしょう。九成宮の全臨のお陰かも知れません。継続は力なりという名言が思い浮かびました。
さあ、ここで気分をよくして、条幅作品にとりくまなくちゃ。

第七十巻 「作品のできるまで」no2.  平成12年9月8日(水)

 前巻では、詩句を選ぶところから、デッサンまでを終え、ためしに何枚か下書きを書いて見たところまでご紹介しました。
 その後しばらく、月例の課題に取り組んでいたので、条幅作品の方は手付かずになっていましたが、次の課題提出までの2週間の間に少し進みましたので紹介します。
 @いよいよ、書き込みを開始しました。
  全体の配置については、一応作品の体を成しているとの望月先生のアドバイスに心強くしましたが、何字か、崩し方に問題があり、誤字になる可能性があるとの指摘でした。

 そこで
 Aもう一度、問題の字の崩し方について、別の辞典で調べ直して、デザインをし直しました。何枚か書いてみると、字が小さくまとまり過ぎているのに気づき、少し、字の大小をつけ、墨継ぎを明確にして、メリハリを付けてもみました。
 このとき、石飛博光先生が、「墨」という雑誌で、条幅作品のできるまでという特集を読んだことを思い出して、久々に引っ張り出してあらためて読み直して見た。
 以前にも、じっくり読んだことを記憶しているが、その内容は殆ど忘れていたのに気が付きました。記憶って本当にあやしいですね。
 というよりも、あれから1年以上たち、多分その後の経験から読み方が深くなっているんだろうなあとも思いました。理解力が増したというか、自分で試行錯誤することの大切さに気づいたということでしょうか。
 ※ここが、独学のもっとも醍醐味のあるところではないかと思います。(先生の受け売りですが)

 こうして、漸く
 B作品の基本デザインができました。
 どうですかね?作品らしくなったでしょうか?
 どなたかご感想やご意見を掲示板にでもお寄せ下さい。
 ここまで休みながら、1ヶ月ほどかかりました。
 あと、締め切りまで、1ヶ月を切りましたので、これから、本当の書き込みをj始めます。

 では、完成しましたら、また報告します。

  
第六十九巻 「作品のできるまで」no1. 平成12年8月17日(木)

 
第42回大東の全国書道展に応募することにしまして、この夏休みを利用して、作品つくりに没頭しています。今日で一応の下絵が出来ましたので、今回の作成過程を紹介しましょう。

@まず、作品の大きさですが、半紙および半切条幅と決まっていますので、半切を選びました。

A次に、もっとも肝心な題材ですが、今回は和製の漢詩の中から、芥川龍之介の残した五言絶句の詩の内容から、これを選びました。
私もちょうど今年で50歳の記念として、半世紀の非を想い、これからの人生を有意義に過ごそうという気持ちをこめることとしました。

B次に、字体ですが、これまで慣れている草書体にしました。楷書も考えましたが、10月の初旬までには、恐らく自信作が書けそうにもありませんでしたので、今回は断念します。

C幾つかの書体辞典から、20の文字を採字します。今回は、最近YAHOOのオークションで競り落とした、ゼロックスの写楽走という、ハンディコピー機を利用しました。これは、新聞のスクラップなどに便利なように、スキャナーと転写が一体となった優れものです。普通のコピーで切り貼りするのも面倒ですから、重宝しそうです。

Dこの採字帳を元に、デッサンをします。2行書きとして、一行目に11文字、2行目に9文字を配置することとし、2行目の末尾を1字半ほど空けます。左右の文字が重ならないように、字の大きさをあれこれ調整します。墨継ぎの位置もあらかじめ決めておき、左右のバランスを考慮します。サインペンで、10種類ほど作った後、最後に鉛筆で、最終案を書きます。各文字のバランスはもちろん、前後関係および左右の関係を見て、右に傾けたり、左に傾けたり、縦に伸ばしたり、横に伸ばしたりいろいろと全体を見ながら調整します。
 落款の文字「芥川龍之介詩 神左書」もすこし練習し、本体と違和感の無いようにしました。

 今回は特に、丸くなる線を意識して、同じにならないように工夫しました。
また配置の関係から、「非」と「飛」が横に並んでしまうので、崩し方に変化をつける必要があります。デッサンでは、なかなか良い案が浮かばなかったので、実際に書きながら修正することとしました。

Eデッサンを疎かにすると、書き始めても行き当たりばったりになってしまう経験から、今回はいつもよりもじっくりとデッサンに時間をかけました。

Fいよいよ、大体の構図が決まったところで、まず、最初は文字の大きさを確かめるための下書きを1枚。これで、使う筆の太さを3号の羊毛に決めました。墨は、草書なのでやや薄めに磨り、にじみとかすれを活かせるようにします。

Gこれからは、デッサンを見ないで、記憶を頼りに筆を滞らせないように注意して一気に書きます。が、筆が走り過ぎないことを心がけ、筆の裏表を十分に使い分けることと、線が弱くならないようにすること、起筆が単調にならないようにすることなどを意識して書いていく。

Hデッサンが完璧に行けばいいが、今回のように、見切り発射の場合には特に、アドリブで出る面白い形や線質やかすれを楽しむようにすると、飽きないで何枚も書けます。次第に慣れて来て、形の取り辛い字形は、線の変化でこれを補う。

Iという訳で、最初の10枚ほどの中から、2点の試作品をご覧にいれます。まだ、荒削りで、細かい所が出来ていないので、これから最低でも100枚くらい書き込むつもりです。

完成の暁には、必ず掲載します。

  
第六十八巻 「白楽書道展」 平成12年8月16日(水)

 船橋で開催されていた、白楽書の道展に家内と行ってきました。当日は、望月先生に案内され、書の友人、長阪さんと一緒に、たっぷりと、書の素晴らしさを堪能しました。
 広い会場に、著名な書家の作品が並び、中央には、書海社の創始者、松本芳翠先生の遺作が堂々と飾られていまして、芳翠先生の実物作品をj始めて見たので、大変感激しました。
 また、望月先生の4字の半切の大作も目を引きました。家内が、先生の作とは知らずに、凄く引かれるものがあると、作品の前に佇んでいて、名前を見てようやく気づいた様子でした。数ある作品の中でも、書風が全く違っていました。
 また、貝に、千字文や百人一種を書いた珍しいものもあり、ひときわ華やかでした。
 それから、望月先生のかな作品は、長阪さんの奥さんの作られた和紙絵に、知人の作られた詩を書かれた,3人の合作だそうです。四季おりおりの景色をうまく表現されたおしゃれなものです。
 なお、この作品の表装前のものを頂戴してまして、大変貴重です。

第六十七巻 「日下部鳴鶴の用筆」 平成12年8月5日(土)

 前に、趙白鶴のテクニックを紹介しましたが、今回は、あの回腕執筆という独特のスタイルを一生崩さなかった書の大家である日下部鳴鶴の用筆法を紹介します。

 (1)まず、起筆の要領としては、「横せんと欲すれば先ず縦し、縦せんと欲すれば先ず横せよ」といい、
 (2)終筆については、「垂れて収まらざるはなく、往きて縮まらざるはなし」と往還去来の原理を述べている。
 (3)筆の鋒の動きについては、これまでの、中鋒のみが正しいという説にの誤りを矯して、「鋒先は上下左右八面出鋒してはじめて用筆の自由が得られる」といっている。
 (石橋犀水著、書道概論より)

 書家によって、言い方は様様ですが、この鳴鶴は理解が難しいです。

 
第六十六巻 「依頼作品」 平成12年7月31日(日)

 
今日、すこし時間が取れたので、依頼されている作品と、このホームページ来場記念を書いきました。
 表紙の「一期一会」は、半切の半分に書く予定ですが、半紙に習作してみました。「静」の字が一ヶ月以上もたちましたので、気分転換に変えてみました。
 また、1000人来場記念の色紙の方ですが、何枚か色紙を書いてみましたが、思うような線がでないため、半紙にしてみました。
 斎藤さんの希望で、「先憂後楽」と書いてあります。これは、草行書と呼ばれる書きかたでして、「後」を行書、あとの3文字は草書で書いてみました。
 それと、もう一点、「」という文字を草書でかいてみました。
 
 これらを、横浜桜木町にある、ゴールデン文具という書の専門店で裏打ちをしてきました。
書の店になかなか行く暇がないので、ついでに、練習用の手漉きの半紙を500枚、それと前から欲しかった、王羲之書法辞典(二玄社)と王鐸辞典(二玄社)を買い求めました。
 また、今月あらたに創刊された、「書に遊ぶ」という、隔月雑誌も購入しました。
 いい記事があったら、また紹介します。


第六十五巻 「書道専門用語」 平成12年7月17日(月)

 
書の専門用語を入力しようとすると、途端にキーボード入力のスピードが落ちてしまう経験をお持ちの方は多いと思います。
 私も、このサイトを更新する際に、思うように変換されないのでイライラすることが良くあります。その都度、登録すればいいのですが、後でまとめてやろうと思いながら、なかなか、登録することができませんでした。
 前にも、書きましたが、いろんな書のサイトを探し回りましたが、私の欲している、書道専門用語はありませんでしたので、結局、自分で登録しましたので、皆さんにも公開しますので、どうぞ、ご自分のPCに、組み込んで見てください。

 
使い方
 @次のファイル名の所に、カーソルを持っていき、マウスの右クリックで「対象をファイルに保存」を選んで、お好きな場所に、ダウンロードする。
   syudouyougo_0007.txt

 AMS-IME2000(私の環境)の辞書ツールを起動し、「ツール」「テキストファイルからの登録」を選んでから、ダウンロードしたファイルを指定してもらうと、自動的に辞書に追加されます。

 B今回の用語は、160程度で、よく使うだろうと思われるものを、登録してみました。
 C例えば
    王羲之 (おうぎし)、顔真卿(がんしんけい)、九成宮醴泉銘(きゅうせいぐうれいせんめい)など。

 
第六十四巻 「芸術的なテクニック(長文)」 平成12年7月8日(土)

 
書を楽しくする雑誌「墨」を愛読させてもらっていますが、7月1日に発売になった、第145号には、読み応えのある記事がたくさんありました。
 その中でも特に印象的だったものを紹介します。
 「中国書法だより」という連載ものがあり、今回は最終回ですが、その著者である、趙白鶴という上智大学文学院助教授、中国書法学院教授の方の書いておられる最終章に、「芸術的なテクニックをどう教えるか」というところが興味をそそられた。
 この連載では、書道教育について、様様な取り組みを紹介されていますが、趙先生自身の教え方を披露されていました。
 私にとって、非常にわかり易かったので、長文ですが紹介します。

 まず、(1)起筆について
 「起筆は、書き出しの一画目を除き、書く人が前の文字の収筆の角度・太さ・速さによって臨機応変に自由に決めるものである。様様な収筆方法に、起筆も様様に対応する。起筆は360度どの角度から入ることも可能である。  -中略- 書道芸術の奥義「無声の音」の根底は気脈である。だからどんな起筆も前の文字に対応させて一気に書き、流動感を出さなければならない。行書でも、草書でも、楷書でも同じ事がいえる。」

 
次に(2)収筆について
 
収筆も起筆同様、360度全ての角度に対応できる。書道において、芸術的な変化をつけることは大切で、−中略−王羲之の「蘭亭序」が史上最も優れた作品といわれる理由の一つに、自由自在に文字を変化させ、一本として同じ線がないことが挙げられる。
 
収筆は、動いている筆先の弾力を出来るだけ利用して書き終わりの筆先をまっすぐにする.
そうすれば、根本の墨が筆先まで流れやすく、次の文字への弾力も戻り、力も入れやすくなる。」
 そして、(3)運筆について

 「運筆には重要な原則が二つある。一つは中鋒の運筆で、もう一つは側鋒の運筆である。
中鋒の運筆は、筆先が常に線の中心を通る。そのため、一筆一筆が重厚な質感を生み出す。また、墨が滞らず、紙への浸透が強く、墨色が均一になる。
 順筆(筆管が運筆の方向と一致)の場合、筆に含まれる墨量が少なかったり、濃かったり、強く書いたところは、運筆の中心線上に一筋の墨痕を生じ、輪郭線上は、渇筆になるこれが線を立体的に見せるのである.この書法の代表的な作品に、顔真卿の「祭姪文稿」と空海の「風信帖」がある。また逆筆(筆管の傾きが運筆と逆)だと強い抵抗力を生じ、線の中心に一本の白い線を残す。輪郭線に近い程墨色は濃くなり、籠字のようになる。これも一種の立体感を生み出す。以上のような立体感のある文字の創作も、書道にとって重要だと思われる。
 次に、側鋒の運筆についてだが、幾つかの特色がある。逆筆の場合、筆の方向が運筆の中心線よりやや外れているため、線の端に勢いが出る。筆先の扱いが容易なので、文字には優雅な輪郭が出る。筆先が方側に偏っている筆からの力は運筆の中心線上にある。線の偏りが、かえって表現力を増す。このように、側筆の運筆は応用範囲が広いばかりか、趣も出せる。文字に趣を出すのは、中鋒の運筆では難しい。王羲之の「喪乱帖」や米ふつの「蜀素帖」に表現される側鋒運筆は、まさに変幻自在の書法といえよう。
 運筆はさらに、動きで二つに分類できる。一つは、筆を押さえたまま最後までまっすぐに力強く書く「一拓直下」で、王羲之の特徴でもある。もう一つは、顔真卿の「屋漏痕」に見られる特徴で、手首を左右に微動させながらゆっくり筆を進める。雨漏りした水滴が、壁をゆっくり伝い落ちる様を思い出していただきたい。羊毛で大きな文字を書くのに適しているが、加減を間違えると蛇の死骸のようになるので十分な注意が必要である。」

 以上ですが、どうですか。分かりやすくは無かったでしょうか。

第六十三巻 「全臨」 平成12年7月2日(日)

 
九成宮の全臨を約1週間で書き終えました。今年に入ってから、九成宮を毎回、臨書しはじめましたが、適当なページを開いては、4、5枚づつ行き当たりばったりに書いていましたが、自分の好みの字が中心となってしまうため、傾向が偏ってしまう気がしておりました。
 全臨となると、10時間以上の時間がかかるので、気を引き締めて取り掛かりました。
 半紙に6文字づつ、長峰の4号の筆を使って、墨は、友人からもらった、韓国製のもの、紙は、中国製のにじみの少ない安手の手漉きを使いました。
 一気には全部書ききれないので、4,5回にわけて書きましたが、出来栄えには、相当のばらつきが出ています。書き始めは、緊張もあって、筆運びが停滞気味ですが、中盤になってくると、筆になれてきますので、直線の延びがうまくできたりします。しかい、終盤になると、疲れが出てくるので、おそらく姿勢が悪くなるのだろうが、直線に傾きが出たりします。
 全臨の文字、全てで、同じ調子にかけるようになると、楷書の作品でも書こうかなという気になりますが、今の状態では、チャレンジするにはまだ早いようです。
 やはり、なんと言っても、楷書はむずかしいし、九成宮は、特に人を寄せ付けない気高さを持っていて、臨書は難しいです。

 
第六十ニ巻 「依頼の3作品」 平成12年6月24日(土) 

 一週間のご無沙汰です。
先週は、仕事がたて込んでいて、毎晩帰宅が遅く、身体も疲れ気味でしたので、PCに向かう気がしませんでした。
 今日も何を書こうかと今、考えながら書き進めていますが、思いつきました。

 今、頼まれている、作品の予告をしましょう。
3つもあります。(なぜか、有名な書家になった気分ですね)

 まず、ひとつは、昨年の暮れに頼まれていたものです。立命館大学の春名攻教授から、色紙に、「信」という一文字を是非にと。ずっと気になっていて、半年位、実力が上がったらというお約束でしたけど、先週、たまたまお会いした時に、「色紙、頼むで!」と、催促されてしまいました。「信」をどういう書体で書こうかと、ずっと迷いながら、今日まで手付かずの状態です。

 二つ目は、6種類の花暦の、花の名前を書く約束をしているんですが、これも、まだ構想がまとまっていません。弊社のとうあ東京浪漫という、サイトの表紙を毎月更新して飾っている、季節の花があるんですが、この花が、6枚溜まったので、新しいページを作って、まとめて花を紹介する手はずになっています。この花は、ある有名な女流画家に特別に依頼して書いてもらったもので、私の字を添えるとなると、気が引けるのが先にたってしまって、悩んでいます。

 最後に、先週いただいた話です。東京の四谷駅の近くにある、京御膳「の田」というお店の壁に一枚飾りたいということで、お引き受けしました。ご主人に、お好きな言葉を伺いましたら、「一期一会」が良いとおっしゃいました。これは、よく書かれる文字なので、ありふれたものは書きたくないから、とりあえず、良いのができたらという約束にしてもらいました。
 飾る場所は、お店で最も目立つところでして、作品を引き立てるためのスポットライトまで用意されておりました。

 そういうわけで非常にうれしい反面、仕事以上にプレッシャーを感じております。

第六十一巻 「書談義」 平成12年6月18日(日) 

 金曜日の晩、「神左」の名付け親を囲んで、ひとしきり、書の話に花が咲きました。お酒も大分入ってましたので、漢字の書き順の話から本格的になり、書の道具の扱い方に話がどんどん進み、書の歴史にまで行くと、先輩の所蔵品がたくさん出てきて、鄭板橋の拓本のお土産品や、象山の拓本をプレゼントされました。
 また、彼の書いた、色紙(信長と書いてある)も、もらえるというから、印まで押してくれました。また、新端渓の硯も、ゲットしてしまいました。
 どうもありがとうございました。
 こちらも、載せられて、いろいろ話をしました。
 どちらも、ハイになっていたんでしょうね。

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